魔族の令嬢。
上級貴族。ヴァンパイア一族の妹姫。姉はキャメリア。
「アイリス」の呼称は瞳の色から。
古くからの魔族の家柄ということでメフィストフェレスと親交があり、青藍とも幼少時からの顔見知りである。
幼く見えるが社交界にはデビュー済。
なので公《おおやけ》の場ではそれ相応の話し方をする。
その反面、プライベートではじゃじゃ馬で思いつきで行動することも多い。
あり得ないような環境への順応力の高さでは勇者《エリック》にも引けを取らない。
※叔父が使っている「アーデルハイム」という名は、人間界にいる間だけ(対人間用として)名乗っているもので、魔族としてのファミリーネームではありません。
彼女も人間界にいる時はアーデルハイムを名乗っています。
一人称 :私《わたし》
身長 :157cm
髪色 :淡金
瞳色 :紫
作中呼称 :アイリス、お嬢様、令嬢
アイリスの家の執事見習い。
蘇芳《すおう》の孫。千日紅《せんにちこう》の甥《おい》。
性格は生真面目で、祖父のような執事になるのが夢。
アイリスがやたらと褒めるグラウスに対抗意識を燃やしている(が、面識はない)。
執事業を覚える傍《かたわ》ら、幼馴染みでもあるアイリスの相手と、伯父の残した温室の世話をするのが日課。
通常は灰色の毛並みのウサギの姿をとっていて、人の姿になることはほとんどない。
髪色《毛色》 :灰
瞳色 :赤
一人称 :僕
作中呼称:柘榴、子ウサギ
ヴァンパイア一族の姫でアイリスの姉。
紅竜の許嫁であり、古くからの顔見知りで且《か》つ良き理解者でもあったが、数十年前に消息を絶ち、以後行方不明となっている。
体が弱いのは後天的なものだが、その原因はわかっていない。
妹のアイリスはウェーブのかかった癖毛だが彼女はさらさらした直毛で、そのために毎朝、何時間も費やして巻いている。巻いた毛先を指でくるくると弄《いじ》るのが癖。
紅目ではあるが魔眼所持者ではない。
髪色 :淡金
瞳色 :紅
一人称 :私《わたし》
アイリスの家の家令。
柘榴《ざくろ》の祖父。千日紅《せんにちこう》の父。
真面目で洞察力が鋭い。アイリスを孫同然にかわいがっている。
アイリスの髪に埋まって耳だけ出し、リボンに擬態することがある。そのリボンには毛が生えていないことから、ただ耳を出しているわけではなく、|変化《へんげ》していると推測される。
白い毛並みで、眉のあたりの毛が特に長い。人間の姿の時は口髭《ひげ》が生えている。
体長 :約30cm
瞳色 :赤
毛色 :白(長毛種)
一人称:私《わたし》(たまに儂《わし》)
作中呼称:蘇芳、ウサギ、執事、ご意見番、お目付け役、爺さん
柘榴《ざくろ》の伯父。蘇芳《すおう》の息子。
片眼鏡とダンディボイスがチャームポイント。
キャメリア、アイリスの幼少時からその執事として世話をしてきたが、彼女らが歳頃になるにつれ、異性の執事が世話をするのはどうか、ということで外された。
しかしキャメリアの相談役としてその後も傍《そば》に居続け、その後、共に失踪。以後消息不明。
作中ではウサギにもかかわらず二本足で歩いているが、これは異世界ということで、現実よりファンタジー寄りの外見になったものと思われる。
毛色 :クリーム色
瞳色 :赤
一人称:私《わたし》
魔族。
ヴァンパイア一族のひとり。アイリスの叔父。
趣味は狩猟。1年の半分を人間界にある別荘で過ごし、狩りに興じている。
姪の前で人間を「家畜」と呼ぶほどの魔族至上主義者。
財を投じて山奥に城を建て、人間界でも侯爵を名乗っている。
美食家で、総じて容姿に優れた者が多い魔族の中では珍しく太り気味。
※この名前は人間界でのみ名乗っている名前です。
身長:約170cm
瞳色:紫
髪色:金
作中呼称:アーデルハイム侯爵
ヴァンパイアの長《おさ》。アイリスとキャメリアの祖母。
前《さき》の闇封印騒動の時の数少ない生き残りであり、メフィストフェレス前々当主(青藍、紅竜の父)の知己でもある。
ヴァンパイアは魔界貴族の中でも特に古い家柄で、そのために比較的新しい家がのし上がることを良く思っていない。紅竜の台頭も表向きは「先代からのよしみで親しくしている」という態度を取りながら、裏では「利用できるものは利用する」というつもりでいた模様。紅竜と年齢の近いキャメリアを幼い頃から紅竜の元に通わせ、許嫁の椅子を勝ち取った。
古き良き魔界貴族に固執するあまり時代の変化について行けず、衰退の一途を辿る家を復興させるのに孫娘を有力な家に嫁がせる以外の策を思いつけなかった。そのせいでキャメリア、アイリスから反発されることになる。
生粋の魔族なので見た目は若い。
後に青藍の後見につく。
髪色 :銀
瞳色 :菫《すみれ》
一人称:私《わたくし》
グラウスの弟。失職した父の代わりに山羊《ヤギ》を飼って家を支える勤労青少年。
もともと貴族とは名ばかりだったところに加えて山羊《ヤギ》飼い生活が長かったため、貴族としての自覚はほとんどない。
口調が厨二っぽいのはこの年頃ならではの病気なので聞き流すこと推奨。
髪色 :茶(一部に銀色メッシュ)
一人称:俺
祖母と言っても実際には三代以上の開きがある。
一族の中で何故《なぜ》かひとりだけ長命だが、個体差によるもの。魔法で延命しているとか、体に秘密があるなどという設定はない。
老化のせいで足腰が弱く、普段は車椅子と杖を愛用している。
失明しているが、長年同じ家にいて間取りを覚えたせいで敷地内はほぼ不自由なく移動することができる。また、他人の魂が見える(本人談)らしく、相手を間違えることもない。
手芸が趣味で家中に彼女の作品が溢れかえっている。
家族の衣類(セーターなどの編み物類)はほぼ全て彼女の手製。なので他人の目を気にする年頃の子や孫からは不興を買うこともある。
今でこそ手芸好きなお婆ちゃんだが、若い頃は真逆だったらしい。
髪色 :白
一人称 :私《わたし》
作中内呼称:祖母、お婆ちゃん、お婆様
ランフォード家のライン精霊。彼《か》の家が昔、功績によって爵位を得た時に譲り受けたらしい。
普段は護身用の短剣に宿っている。
ライン精霊として使われることがなかったため、ずっと眠り続け、役に立たないのでエルフガーデンに返された経歴を持つ。
ランフォード家は女系のため、その短剣は代々女性に受け継がれている。
ライン精霊にしては珍しい少年型。口は悪い。
一人称:俺
髪色 :緑
瞳色 :緑
以前は町に勤めに出ていたが、現在は失職中。
散々メフィストフェレスから嫌がらせを受けたせいで家に引き籠っている。
髪色 :黒ずんだ茶色
一人称:私《わたし》
グラウスの母。
10年以上前に銀の矢を射られて以来、体調を崩して臥《ふ》せっている。
ここ数年は体力と魔力の衰えが激しく、人間の姿を取ることができなくなり、灰色の子犬の姿でいる。
回復に時間がかかっているのは体内に入ったのが銀の粉である以外に、人間界にいたため魔族専用の医者にかかることができなかったこと、ランフォード家が貧しく、栄養のあるものが摂取できなかったことなどに起因する。
ちなみにグラウスと父親が家督について話をしているが、ランフォード家は代々女系なので現在の当主は祖母。その代に男子しかいなかった場合は嫁が継ぐことになっている。
なので祖母より早く亡くならない限り、次の当主は彼女であり、グラウスの「家督はクレイに」は正確には「家督はクレイの嫁に」ということになる。
毛色 :灰(獣化時)