#物書きのみんな自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ
より
スペースと改行を除く823文字
蓋を開け、内側のラインまで熱湯を注ぐ。これがカップラーメンなら蓋を止めるシールがついているというのに、何故焼きそばにはついていないのだろう。隙間から蒸気が溢れるだけでもちゃんと戻るか気になるというのに。
気になると言えば名称だ。何故焼いてもいないのに焼きそばを語る? 実際には茹でそば、否、戻しそばだろう。
戻しそば。なんだか食欲が減退する名前だ。だから焼きそばなのか。しかしこれは詐称ではないのか。
3分経ったら湯切り口を開け、湯を零す。そして蓋を開ければ戻しそ――食べる前だ、焼きそばを呼んでおこう――がある。ただでさえ少ないかやくが蓋について行ってしまうのを防ぐためにかやくは予め麺の下に仕込んでおくといい、と……それを今になって思い出しても後の祭り。
ついでに言えば、肉やキャベツを炒めて追加するだけでかなり変わるそうだが面倒だからやっていない。
そうだろう、カップ麺を食べようと思う時と言うのは大抵作りたくないからなのだ。そこにキャベツを炒める手間とフライパンを洗う手間を増やしてどうする。美味い焼きそばが食べたければ普通に茹で麺を買ってくる。
……あれ? そう言えばあの正規の作り方も焼くではなくて炒めるだがそこは焼きそばでいいのか? 正しくは炒めそばではないのか?
嗚呼、考え出したらきりがない。とにかく今はカップ焼きそばに専念しよう。
粉末ソースは不味いから嫌いだ。なので冷蔵庫からお好み焼きソースを出す。同じメーカーから焼きそばソースなるものも出ているが、自分の好みはお好み焼きソース+ウスターソースだ。分量は適当。半々くらいかもしれない。
茹で麺で作れば屋台の味(自称)だが、やはり麺が違う。しかし3分で焼きそばが食べられるようメーカーが知恵を絞って作り上げたものにケチをつけるのは如何なものか。これはこれでいい。
「いっつもそんなこと考えながら作ってるわけ?」
でも本当は……味の決め手はどうやって食べるか、より、誰と食べるか、じゃないかと思う。