twitter300字ss様、2018年12月のお題『灯す』で書かせて頂きました。
ジャンル:オリジナル
注意書き:ヒントが下のほうにあります。
ギミックがメインです。お遊び程度にどうぞ。
スペース・改行・ルビを除く300字。
「此処《ここ》にお集まりの皆さん、聞いてください」
野瀬《のせ》氏殺害事件の翌日、我々は客間に集められた。
「焼岡《やけおか》さん、ホシの目星はつきました?」
「まだだ。金の亡者だし敵も多いだろうが、証拠が」
「野瀬《のせ》氏を殺害した犯人はこの中にいます!」
誇らしげに宣言した探偵きどりの男を焼岡《やけおか》は睨《にら》む。
素人《しろうと》の魚屋風情《ふぜい》が、とも聞こえた。無理もない。
犯人を推理するのは勝手だが、出しゃばられては。
「さて、まずその燭台《しょくだい》。火を灯《とも》した形跡がない」
頭詠《かしらよみ》というこの男は妻の燈華《ともか》、長男の焔《ほむら》を見る。
何だ? 燭台《しょくだい》から血液反応など出なかったが。
やましいことがあるのか燈華《ともか》は俯《うつむ》く。男は嗤《わら》う。
「大事なのは見方を変えること。最初が肝心です」
よく言う。だがそうなると――?
↓ヒント(ネタバレ)があります↓
** ヒント **
行頭の文字を仮名にして、その最初の1文字だけを縦に読んでみよう!