twitter300字ss様、2018年9月のお題『秋』で書かせて頂きました。
ジャンル:オリジナル
注意書き:ハロウィンは秋だと主張してみる。
スペース・改行・ルビを除く300字。
「知ってるか? あれ本当はハロウィン用じゃないんだ」
彼が意味深な台詞《セリフ》を吐いたのは、未《いま》だ残暑真っ盛りの8月末のこと。
視線の先にはオレンジ色のカボチャ頭が並んでいる。親子連れが立ち止まって眺めている。
「あの店は秘密結社のアジトなんだ。夜な夜な人間をカボチャに変えて回ってるんだよ」
目が笑っている。
何とまぁ無理のある設定だろう。でもそういうネタは嫌いじゃない。
「アレの数が増えていくのが証拠さ」
「秘密を知った者の哀れな末路と言うわけか」
品揃えもこれから充実していくんだよ。なんて指摘は野暮というものだ。
2ヶ月後。彼が失踪した。
部屋に残されていたのはカボチャ頭の人形ひとつ。
でも僕は知っている。
僕も、
秘密を知っ