2019年10月のお題「夢」で書かせて頂きました。
スペース・改行・ルビを除く300字。
ジャンル:オリジナル
注意書き:ネタ的なBL(らしきもの)あり。
神妙な顔の悪友から相談を受けた。
最近、繰り返し同じ夢を見るのだと言う。
エルフやドラゴンがいる中世風の世界。
なのに日本語が通じ、名前は違うものの慣れ親しんだ味の食べ物が並び、家電と同機能の魔法具があり。
そこで彼は、現代知識と何故《なぜ》か持っている魔法で無双《むそう》しているのだとか。
まるでラノベだ。
しかも転生、転移のリスクすら皆無《かいむ》。朝起きれば現代日本。
ご都合主義にもほどがある。
「ただの願望。繰り返し見たって夢でしかねぇよ」
聞くだけでも馬鹿らしい。
どうせチヤホヤしてくる巨乳ロリもいるんだろ?
そう吐き捨てる俺に、
「あー、チヤホヤもされてるんだ、けど」
悪友は目を逸《そ》らした。そして。
「そいつ、お前と同じ顔してて」
「待て」